1992年ブラジル・リオで180カ国以上の国家代表が参加して開催された通称地球サミット(地球環境会議)において地球環境問題が議論され、人類の子孫に豊かで明るい地球環境を伝承する願いを込めて行動計画「アジェンダ21」が採択されました。
 この地球万民の願いが集約されたアジェンダ21を的確にフォローする目的で1996年9月に制定されたのが、国際標準化機構(ISO)が定めるISO14000s(シリーズ)『環境マネジメントシステム規格』です。ISO14000sのうちの中核となるISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)をどのように構築すればよいかを定めた仕様書です。ISO14001の序文には、この規格は世界中全ての地域のあらゆる種類と規模の組織に適用できるとあります。したがって、環境マネジメントシステムを構築し、維持しようとする組織は、ISO14001の規格要求事項に従えば良いということになります。
食品関連事業者は、食品廃棄物の発生抑制、減量化、又は食品循環資源の再生利用に取り組まなければならないことが規定。
食品廃棄物等の発生量が一定量以上の事業者には、取組が著しく不十分の場合、勧告、公表及び命令がある。
神奈川県内の流通・サービス業で、生ゴミの再資源化への取り組みが活発化している。2006年度までに食品廃棄物の20%の削減を義務づける。

廃棄物県内処理100%へ神奈川県が計画案公開 神奈川県は10月16日、来年度から5年間の「廃棄物処理計画原案」を公開した。
 同計画は、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物と産業廃棄物を対象とする法定計画で、「廃棄物県内処理100%」の行動計画として検討されているもの。廃棄物の排出量や再生利用量、減量化量、最終処分量の数値目標を設定し、目標達成のための取り組みを提示する。
 数値目標のうち、一般廃棄物は2006年度の排出量(推計値)の412万tを344万tに抑制するほか、再生利用量の70万tを82万t、減量化量の292万tを225万t、最終処分量の50万tを37万tにそれぞれ強化。産業廃棄物についても、同年度の排出量の1910万tを1826万tに抑制するなどの目標を立てている。
 これら数値目標を達成するため、一般廃棄物では
  1:事業系ごみの半減
  2:生活系ごみ1日1人当たり100g削減
  3:容器包装リサイクルの強化
  4:有機生ごみ資源化
  5:焼却灰の溶融固化の推進-------などに取り組む。
産業廃棄物は、建物を長寿命化したり、「建設汚泥」や「混合廃棄物」「ガラス陶磁器くず」の再生利用などを進めていく。

平成13年(2001)10月31日(水曜日)
神奈川県の流通・サービス業生ゴミ再資源化
「食品リサイクル法」にらみ取り組み活発

神奈川県内の流通。サービス業で、生ゴミの再資源化への取り組みが活発化している。2006年度までに食品廃棄物の20%の削減を義務づける。「食品リサイクル法」施行が追い風となっているが、それ以前から取り組んでいる企業、または五年間をフルに使おうという企業など取り組むペースはさまざま。各社の取り組みや方針を探った。

パン パシフィック ホテル 横浜は、2000年12月から生ゴミの飼料化を始めていた。事前に従業員150人を集め、5日間かけてリサイクルの方針を徹底させた。再資源化には分別が非常に重要となるため、現場の意識向上が欠かせないからだ。
 同ホテルでは1日約1トンの生ゴミを排出する。各部門で分別した後、もう一度担当者がへらで中身をチェックし、冷蔵保存する。当初は1日200kgを飼料化する業者へ出していたが、活動が軌道に乗った今年5月からは500sに増やした。残りの500sじゃ、炭化などの研究を行う業者へ渡している。その結果、処分していた時に比べ、年間110万円のコスト削減を実現した。

パン パシフィック ホテル 横浜 1日500s飼料化
横浜市協組と共同相鉄ローゼン 京急百貨店時間かけ本格化

相鉄ローゼンは今年の11月末から、横浜市有機リサイクル協同組合と共同で、生ゴミの飼料化を三ツ境店で試行している。同店は1日約600sの生ゴミを出すが、飼料化するのは青果物とパンや練り物を中心とした250s。経費は1ヶ月10万円程度を試算する。
同社は、今後5年間で他社も飼料化への動きが本格化し、処理業者のキャパシティーが一杯になってしまうことを警戒して「早いうちからパイプ作りが肝心」と試行を始めた。03年度には、この取り組みを10店舗にまで拡大する考え。
同社ともスタートする前は、肥料化か飼料化悩んだという。だが、肥料は需要バランスの見通しが立たないとの判断から、飼料化への取り組みを決めた。
京急百貨店は大いに悩んでいる最中。1日約170sの生ゴミを排出する同社は、4月から魚のあらのリサイクルを始めたが「のこりをどうするか決めかねている」。当初は社内に処理機を設置する方針で、処理機メーカー数社から見積もりを取ったが、コスト面での問題や処理システムが不可解などの問題がクリアできず、保留のまま。だが「ここで終わらせるというのも明確でよい」との考えから、消滅型の機器には興味を引かれている。
業者と組んでの飼料化も検討しているが、その飼料を食べた家畜の肉が市場に流通するというリサイクルは本当に可能なのか・・・などの悩みは尽きない。「分別収集はできている」との自信から、他社の動向を見ながら時間をかけて活動を本格化する。
飼料化への取り組みが進む一方で、狂牛病問題が浮上し「牛に由来する物を混ぜられるのか」(京急百貨店)といった疑問も出ている。各社とも神経をとがらせているが、最終的には処理業者の技術頼みの一面もある。生ゴミを出す側、処理する側が一体となった管理のもと、再資源化に取り組んでもらいたい。


平成13年(2001)12月21日(金曜日)

社説:国民全体で食品リサイクル支援を 食品リサイクル法が、今年の5月1日に施行されてから8ヶ月過ぎようとしている。食品廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物を合わせて年間2000万t(1996年度調査)が排出されているが、一般廃棄物は排出量の全体の約30%とかなるの量を占めている。これら食品廃棄物のリサイクル現況は、肥料などへの利用が全体の10%にも満たず、大部分が焼却、埋め立て処分されている。2000年度の食品ロス統計調査によると、家庭では7.7%、外食産業では5.1%の食べ残しや廃棄が発生しており。宴会では15.7%、結婚披露宴に至っては23.9%というロス率の高さだ。
 今回施行された食品リサイクル法は、再生利用で大きな位置を占める食品関連事業者に、5年間で再生利用の実施率を20%に向上させることを定めている。また、売上高や従業員数などの規模にかかわりなく全ての関連業者に適用されるが、年間発生量100t以上の業者が、目標を達成できない場合には罰則が適用される。食品関連事業者、食品の製造・加工業者やスーパーなどの卸売・工業者、食堂、ホテルなどの飲食店などが対象になり、食品廃棄物の再生利用に取り組む。その取り組みは、まず生産や流通過程の工夫、消費のあり方の見直しによって食品廃棄物そのものの発生を抑制し、次に、再資源化できるものは再利用する。その方法は肥料や飼料、油脂や油脂製品、メタンの原材料となっており、第三者に委託することもできる。最後に、水分を多く含み、腐敗しやすく再利用できない廃棄物は、脱水、乾燥、発酵、炭化による減量を行う。
 実施状況の申告は必要ないが、最低1年単位での食品廃棄物の発生量、再生利用などの記録の義務があり、農政局、食糧事務所などによる調査・点検が行われる。また、再生利用を促進するための制度として、優良なリサイクル業者を育成する登録再生利用業者制度、再生利用事業計画の認定制度、廃棄物処理法の特例などがある。
 先進的な再資源化プラントに補助を行う再資源化事業補助制度があり、今年度は補正予算も含めて26億円、来年度も当初で14億円が計上されており、食品リサイクルの取り組みは始まったばかりだ。すでにリサイクル事業に取り組むところも多いが、そのほとんどは排出事業者と、リサイクル業者、利用者の循環の輪がうまく構築できていない。
 何が問題で、どうしたらよいのか検証が行われているが、一つは市販されているコンポスト装置が十分な性能を発揮できず、問題を起こしているケースがある。さらに、食品リサイクル業者が、再生利用のために廃棄物を運搬するのに、煩雑な手続きや許可が必要なため、広域利用のシステム作りに支障をきたしている。まだ、コンポストの規格も十分ではないなど、残された課題は山積している。食品資源のリサイクルを守るという有機栽培の農家は、この食品リサイクル法の施行を機に活発な取り組みを展開するところも出てきており、これらの動きを国民全体でサポートすることが必要だ。


平成13年(2001)12月19日(水曜日)